海外の作家さんが描くBL漫画をご存知でしょうか?
「HEARTSTOPPER (ハートストッパー)」は2016年からAlice Osman(アリス・オズマン)さんによってTumblr上で公開され、2019年に書籍化されました。
そして2022年、なんと日本で『このマンガがすごい!2022』オンナ編 第19位にランクインしたんです。
今回は、英国発のBLとして社会的ベストセラーになっている「HEARTSTOPPER」の魅力をご紹介します。
イギリスの男子校に通うチャーリー・スプリングはゲイであることをカミングアウトしていますが、そのことで酷いイジメを受けた過去を持っていました。
同じ学校に通う一学年上のニック・ネルソンは、ラグビー部に所属する明るく優しいスポーツマン。ある日、隣の席に座った2人はすぐに心を許せる友達になります。
チャーリーがニックを好きになるのに時間はかかりませんでした、自分に決してチャンスが無いことはわかっていたけれど…。
でも恋とは不思議なもので、ストレートのはずのニックもまた、思いがけずチャーリーに惹かれていたのです。
号泣必至! ピュアで切ない青春ラブストーリー
本作では少年たちが恋心がお互いの視点から丁寧に描かれています。その周囲の友人や家族の存在のことも。
日本から生まれたBLが女性向けのある種ファンタジーと言われる一方で、この作品は性的マイノリティの「リアル」を描いた現実です。男女年齢問わず、多くの人に”眩しい青春”を思い起こさせてくれます。
少女漫画のようなキラキラした絵柄ではありませんが、絵本のような温かみのあるイラストが特徴です。けれどストーリーはとても深く、シリアス。二人の関係は甘酸っぱく、周囲との関係は悲しいほど淡々と描かれていて、その対比に泣きそうになりました。
チャーリーが涙をこぼすところ、ニックが寄り添うところ、何気ないやり取りの中で登場人物が感じている想いがひしひしと伝わってきて、気づいたら涙が込み上げてくるんです。
親へのカミングアウトや学校や家庭内に存在する偏見や無理解、周囲との軋轢と葛藤が胸に迫る本作は、ヒューマンドラマとして素晴らしい作品であることは間違いありません。
2022年、NETFLIXにて実写化決定!
英語版の売り上げが累計25万部を誇る本作は、2022年にイギリスのNetflixで実写ドラマ化されることが決定しました。
原作を読んでいる時から「海外ドラマみたいだな」という感想を持っていたので納得です。はやく日本でも配信されないかなと楽しみにしています。
現在、日本語版では「HEARTSTOPPER ハートストッパー3」までが発売されています。
ゲイであるチャーリーと、ノンケであったニック。多様性に葛藤する人々。それぞれの物語と真っ直ぐな恋愛模様から目が離せません。
左開きなので慣れるまで少し読みづらく感じますが、新鮮な気持ちでBLを読んでみたい方におすすめです。
WEBコミックサイト「路草」(https://michikusacomics.jp/archives/170)では各巻1話ずつ無料公開されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
英語版WEBTOON(https://www.webtoons.com/en/challenge/heartstopper/list?title_no=329660&page=1)